発行日 2016年6月30日
Published Date 2016/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201607043
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遺伝的な情報全体を対象とするゲノム検査に基づくゲノム医療は,探索した結果を,その時々の研究の進捗状況・成果に照らして診療に活用するという,従来の遺伝子検査とは全く異なる概念に立脚するため,医学研究と臨床活用との厳密な区別が難しくなりつつある。難病などの希少遺伝性疾患の遺伝子診断,がんの分子標的薬に対するコンパニオン診断薬の開発などの分野で,ゲノム医療の臨床活用がすでに始まっている。本稿では,ゲノム医療実用化に向けた米国・英国での取り組み,およびわが国での取り組みの現状と課題について概説した。