書評
がんゲノム医療遺伝子パネル検査実践ガイド
藤原 康弘
1
1独立行政法人医薬品医療機器総合機構
pp.1266
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208188
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まず手にとってほしいと素直に思えた一冊
がんパネル遺伝子検査が保険適用となり,既に活用されておられる方も多いと思う.ただ,活用したくとも,「ゲノム」という言葉を目にしたり,耳にしたりすると,とっつきにくいと感じられるベテランの方も多いだろう.そんな時,がん診療の一線に立っている医療者の方たちに,まず手に取ってもらいたいと素直に思えたのが本書である.がん遺伝子パネル検査の基本と実際を,基礎科学者,臨床検査や病理の専門家,腫瘍内科医,さらには企業人まで,がんパネル遺伝子検査を開発し,さらには一線で診療に活用されている日本全国からえりすぐりの新進気鋭の執筆陣が解説してくれている.
がんゲノム医療の初学者である臨床家には,第1章 基礎知識 臨床のためのがん遺伝子パネル検査のABCと第2章 がん遺伝子パネル検査のキーワードは,がんゲノム医療の背景になっている事項の理解に非常に役立つ.がんパネル遺伝子検査結果レポートの遺伝子異常の欄に出ている英語と数字の並ぶバリアントの表記に二の足を踏まれた方もベテランには多いのではないかと思うが,74ページから始まる「遺伝子異常(バリアント)の表記方法は?」を一度ご覧いただくと安心して次回から結果レポートに目を通せるのではないだろうか.また,巻末付録のがんゲノム医療関連webリンクはQRコード付きで非常に参考になる.
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