発行日 2016年5月30日
Published Date 2016/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201606069
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骨髄不全患者で検出される発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)型血球を長期間観察すると,PNH型血球は約60%で不変,約20%で消失する。血球系統別の解析では,溶血型PNHではPNH型血球が全系統に認められるが,骨髄不全型PNHでは一部の系統でのみ検出される。したがってPNH型血球の産生細胞は,腫瘍性増殖能のないPIGA変異造血幹細胞または自己複製能を持つPIGA変異造血前駆細胞と考えられる。次世代シーケンサーによるPNH型顆粒球の解析でも,検出される遺伝子変異は多くの例でPIGAのみであることから,PIGA変異クローン拡大に二次的遺伝子変異が関与している例は少数と考えられる。