発行日 2016年5月30日
Published Date 2016/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201606047
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発作性夜間ヘモグロビン尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria:PNH)は,血管内溶血を主徴とする造血幹細胞疾患である。小児では稀な疾患であり,再生不良性貧血などの造血不全症からの移行がみられる。軽症のPNHに対する治療は溶血症状や血栓症状に対する支持療法が基本となるが,溶血発作を繰り返し輸血依存にある症例については,造血幹細胞移植が根治的な治療法として実施されてきた。近年,補体C5に対するヒト化モノクローナル抗体であるエクリズマブの有効性が小児PNHにおいても示されており,さらなる予後の改善が期待されている。