発行日 2016年5月30日
Published Date 2016/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201606029
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PNH患者において血栓塞栓症の合併は10%程度であるが,死亡原因となりうる最も重篤な合併症の一つである。血栓症はいかなる部位にも発症するが,動脈血栓より静脈血栓の方が多く,特に深部静脈血栓症の頻度が高い。また,肝静脈などの腹腔内静脈の血栓症が多いのも特徴である。静脈血栓症を発症した場合は,急性期にはヘパリン類による治療を行い,慢性期にはワルファリン内服に移行する。現時点では,経口Ⅹa阻害剤によるPNH二次血栓予防効果が有効かどうかは明らかになっていない。エクリズマブは,PNH患者の血栓塞栓症の発症を著明に低下させる。