技術講座 血液
骨髄不全症の病態診断と高精度PNH型血球検査
石山 謙
1
1金沢大学附属病院血液内科
pp.792-797
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208072
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Point
●骨髄不全症は,再生不良性貧血(AA),芽球や環状鉄芽球の増加を伴わない低リスク骨髄異形成症候群(MDS),発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の総称です.これらの骨髄不全症ではPNH型血球がしばしば検出されます.
●PNH型血球の検出にはフローサイトメトリー(FCM)が用いられます.現在わが国で用いられているFCMは,検出感度によって保険収載法と高精度法に分けられます.
●AAおよび低リスクMDSで検出されるPNH型血球の多くは,各血球系統全体の1%未満のため,これを検出するためには高精度法を用いる必要があります.
●PNH型血球は,骨髄不全症の発症が免疫学的機序によるものであることを反映するマーカーであるため,ある患者でPNH型血球が陽性であった場合には,免疫抑制療法を速やかに行うことが重要です.
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