発行日 2016年5月30日
Published Date 2016/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201606063
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外科手術,特に全身麻酔を伴う手術は補体活性化を引き起こすため,PNH患者にとって急性溶血発作の重要なリスクの一つである。また,PNH患者では慢性溶血に基づくNO枯渇や血小板活性化など様々な病態により血栓症のリスクが高まっているため,周術期の肺血栓塞栓症,深部静脈血栓症に対する厳重な管理が求められる。従来,補体活性化を抑えるための麻酔や輸液・輸血の工夫,血栓症予防のための抗凝固療法などが行われてきたが,エクリズマブは補体終末活性を抑制することで,急性溶血発作と血栓症の両者のリスクを抑え,導入患者では安全な周術期管理が期待できることが示されつつある。