発行日 2016年5月30日
Published Date 2016/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201606055
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妊娠中は生理的に補体活性や血液凝固機能が亢進するため,PNH合併妊娠では溶血亢進,血栓塞栓症などの重篤な合併症を併発し,ときに母体死亡を来す可能性のあるハイリスク妊娠である。エクリズマブはこれらの母体合併症発生頻度を低減させ,胎児および新生児に有害事象を発生することなく,良好な結果が得られることが報告されている。しかし妊娠中の溶血亢進,輸血頻度の増加,血小板減少,妊娠高血圧症候群,胎児発育不全,異常出血などのリスクは依然として高く,エクリズマブや抗凝固療法の開始時期,投与量,投与方法については,今後さらなる検討が必要である。