特集 妊娠・分娩と血液異常
8.産科危機的出血の治療
中井章人
1
Akihito Nakai
1
1日本医科大学 産婦人科 教授
pp.1483-1488
発行日 2015年9月30日
Published Date 2015/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201510081
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産科危機的出血は母体死亡原因の約30%を占める。前置胎盤,多胎,巨大児などのハイリスク妊婦は,高次施設での分娩を勧める。産後出血予防のため,全ての妊婦で分娩第3期に積極的な管理を行う。分娩後,出血が経腟分娩で500 mLを超える場合,子宮マッサージと双手圧迫,血管確保と補液,子宮収縮薬投与,血圧・脈拍測定,原因検索とその除去,血液検査などを行い,難治性では子宮腔内タンポナーデを行う。出血が1,000 mLを超えた場合,SI,DICスコアーを目安に輸血を開始する。