増刊号 産婦人科医のための緊急対応サバイバルブック
Ⅲ. 産科編
❸分娩時・産褥期の緊急対応
産科危機的出血
中村 永信
1
,
松永 茂剛
2
1埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター母体胎児部門
2埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
キーワード:
産科危機的出血
,
低フィブリノゲン血症
,
point of care testing
,
POCT
Keyword:
産科危機的出血
,
低フィブリノゲン血症
,
point of care testing
,
POCT
pp.276-282
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211240
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39歳,1妊0産,A病院で妊婦健診を行い,破水後翌日の妊娠39週2日にオキシトシン点滴での分娩誘発を行った.誘発後7時間で子宮口は全開大し,誘発後9時間で続発性微弱陣痛を認め徐々に陣痛発作の間隔は延長していった.最終的には分娩停止の適応で,誘発後11時間経過した時点で吸引分娩を施行した.児は3,750gの男児.胎盤娩出後から子宮収縮が不良となり,子宮内バルーンタンポナーデを行った.
分娩時出血は1,200mL,産後1時間で再度500mLの出血を認めた.産後1時間時点でのバイタルサインは血圧104/65mmHg,心拍数110回/分であり,ショックインデックスは1以上となった.
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