特集 妊娠・分娩と血液異常
9.産科播種性血管内凝固症候群の最近の治療
板倉敦夫
1
Atsuo Itakura
1
1順天堂大学 産婦人科学講座 教授
pp.1489-1495
発行日 2015年9月30日
Published Date 2015/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201510087
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産科播種性血管内凝固症候群(産科DIC)は,線溶亢進型で著しい出血傾向を示す。特に,胎盤剥離面の止血には凝固因子が大きく関与しているため,産科DICでは胎盤剥離面からの出血が多量となり,全身状態を悪化させる。このため,産科DICへの初期対応には,凝固因子の補充以外に,全身(呼吸・循環)管理,物理的(外科的)止血が必要である。輸血製剤由来である凝固因子の補充は,止血のための輸血であり,化学的止血と考えることができる。本項ではこれらの管理法について概説する。