特集 補体のすべて ~機能から病態まで~
4.C1インヒビター欠損症
堀内孝彦
1
Takahiko Horiuchi
1
1九州大学別府病院 免疫・血液・代謝内科 教授
pp.1287-1293
発行日 2015年8月30日
Published Date 2015/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201509051
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遺伝性血管性浮腫(Hereditary angioedema:HAE)は,顔面や四肢,喉頭,腸管などさまざまな部位に突発性,一過性の浮腫が生じる常染色体優性の遺伝疾患である。気道閉塞や激烈な腹痛を生じて重篤になり得る疾患であるが,疾患自体があまり知られていない状況が長く続いていた。最近の10年間で治療法が大きく進歩したことが後押しとなり,世界的にHAEの研究や啓発活動が活発に展開されつつある。本稿では,わが国におけるHAEに対する取り組みの現状を紹介するとともに,日本補体学会が発表したガイドラインをもとに,診断ならびに治療法を概説する。