特集 補体のすべて ~機能から病態まで~
3.C3欠損症
大倉有加
1
,
有賀正
2
Yuka Okura
1
,
Tadashi Ariga
2
1KKR札幌医療センター 小児科 医長
2北海道大学大学院 医学研究科 小児科学分野 教授
pp.1277-1285
発行日 2015年8月30日
Published Date 2015/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201509041
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C3欠損症は常染色体劣性遺伝形式をとる稀な先天性免疫不全症である。現在まで29家系37症例の様々な国からの報告があるが,81%に重症細菌感染症,43%に免疫複合体病を認め,27%は両者を合併している。診断時の平均年齢は9.2歳である。種々の感染症を来し,その起因菌は肺炎球菌,髄膜炎菌が多くを占める。一方,免疫複合体病としてはSLE様疾患,腎炎などを多く認めている。肺炎球菌や髄膜炎菌による反復感染症,免疫複合体病の治療にも関わらずC3低値が持続する場合は,本疾患も鑑別に考えるべきである。