特集 鑑別に苦慮した皮膚病(2)
臨床例
DLEを併発したC1 inhibitor欠損症
前島 英樹
1
,
渡会 晃
,
三井 純雪
,
田中 住明
,
立石 毅
1永生クリニック 皮膚科
キーワード:
Dapsone
,
スポロトリクム症
,
結核-皮膚
,
エリテマトーデス-円板状
,
エリテマトーデス-全身性
,
鑑別診断
,
多剤併用療法
,
経皮投与
,
Tacrolimus
,
肉芽腫-環状
,
補体C1阻害タンパク質
,
補体欠損症
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Diagnosis, Differential
,
Dapsone
,
Drug Therapy, Combination
,
Lupus Erythematosus, Discoid
,
Lupus Erythematosus, Systemic
,
Sporotrichosis
,
Tuberculosis, Cutaneous
,
Tacrolimus
,
Granuloma Annulare
,
Complement C1 Inhibitor Protein
pp.583-586
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016271486
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<症例のポイント>補体は、80種類に及ぶ血漿蛋白、細胞膜調節蛋白、膜受容体によって構成される反応系で、生体内に侵入した病原体に対する初期での生体防御機構と免疫複合体の除去に重要な役割を果たしている。そのため、補体欠損に関する臨床症状は感染症と膠原病・血管疾患に大別される。日本人ではC9補体欠損症が0.1%と多く、髄膜炎菌性髄膜炎を発症しやすい。C1 inhibitor欠損症はそれよりも頻度は少ないが遺伝性血管浮腫をきたす疾患として有名である。C1 inhibitor欠損では血清C4値低下をきたすため、SLEなどを併発することが予想されるが実際には少ない。われわれは、DLEで受診し、検索で遺伝性C1 inhibitor欠損を疑った1例を経験したのでここに報告する。
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