特集 最近のゲノム解析技術の理解のために
3.ターゲットシークエンスの特徴と活用
土原一哉
1
Katsuya Tsuchihara
1
1国立がん研究センター 先端医療開発センター トランスレーショナルリサーチ分野 分野長
pp.1115-1123
発行日 2015年7月30日
Published Date 2015/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201508037
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ゲノム上の任意の領域を抽出してシークエンスを行うターゲットシークエンスは,多数検体で迅速に対象とする遺伝子の構造異常の情報を収集するのに適しているほか,対象領域を「深く」シークエンスすることで構造異常の検出感度を向上させ,末梢血中にわずかに存在するcirculating tumor DNAの検出や,腫瘍のheterogeneityの研究に応用されている。腫瘍関連遺伝子を対象とした,精度管理されたターゲットシークエンスによるバイオマーカー診断は,分子標的治療開発にも応用されており,将来,実地診療への導入も予想されている。