９．臨床シークエンス

　次世代シークエンサーの登場により，低コスト・短期間でゲノムシークエンスを行うことが可能となった。シークエンス技術の重点は，学術研究から臨床応用へ移ろうとしている。我々のグループでは，自施設で診療する血液腫瘍患者検体を用いて，インハウスメソッドによりゲノム解析を行い担当医へ結果を返却する，臨床シークエンスの実践に取り組んでいる。シークエンス結果が治療法選択に関わった症例も蓄積されつつある。本稿では，我々の取り組みを元に，臨床シークエンスの現状と展望を記述する。