特集 造血器腫瘍の予後と予後因子2015
8.多発性骨髄腫
奥野豊
1
,
畑裕之
2
Yutaka Okuno
1
,
Hiroyuki Hata
2
1熊本大学大学院 生命科学研究部 薬物治療設計学講座 血液内科学分野 准教授
2熊本大学大学院 生命科学研究部 薬物治療設計学講座 生体情報解析学分野 教授
pp.843-848
発行日 2015年5月30日
Published Date 2015/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201506089
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近年のボルテゾミブ,サリドマイド,レナリドミドなどの新規薬剤の出現によって,多発性骨髄腫患者の予後は3.8年から6.1年と,ほぼ2倍に延長した。今後さらに新規薬剤が次々と本邦でも認可される予定であり,さらなる予後の改善が期待できる。予後規定因子としてISSなどの病期分類があり,さらに様々な染色体異常が報告されている。これらの予後因子によりリスク分類をすることによって,その予後を推測することができる。また,初期治療により完全寛解を得た症例や,その中でも微少残存病変(MRD)が少ない症例は,その後の予後が良好であることが知られている。