特集 遺伝子治療の臨床展開
6.腫瘍関連抗原特異的T細胞受容体を発現させたTリンパ球を用いる癌遺伝子治療
藤原弘
1
Hiroshi Fujiwara
1
1愛媛大学医学部附属病院 第一内科 講師
pp.645-654
発行日 2015年4月30日
Published Date 2015/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201505061
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遺伝子工学と免疫学を融合して日々進歩を続ける合成免疫学(Synthetic Immunology)は,積み上げられた腫瘍免疫学に関する知見の概念実証(proof-of-concept)として,癌細胞を認識する受容体遺伝子を導入したTリンパ球を癌治療に応用する遺伝子免疫細胞療法を実現した。本稿では,より高い完成度を目指して現在も改良が続けられている腫瘍関連抗原特異的T細胞受容体(TCR)遺伝子導入Tリンパ球を用いる癌遺伝子治療に焦点を当て,その現状を概観する。