特集 血液病の外来診療
4.慢性骨髄性白血病
田内哲三
1
Tetsuzo Tauchi
1
1東京医科大学 血液内科 准教授
pp.471-476
発行日 2015年3月30日
Published Date 2015/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201504049
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初発慢性骨髄性白血病(CML)症例の治療に関して,入院治療を行う症例は激減した。第二世代ABLチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であるニロチニブ,ダサチニブがそれぞれの第 III 相臨床試験においてイマチニブより高い効果を示し,現時点ではイマチニブ,ニロチニブ,ダサチニブの3薬剤が,NCCNの治療ガイドライン Version 2,2012にて第一選択薬として推奨されている。初発慢性骨髄性白血病症例に対するABL TKIsの使い分けに関しては,各薬剤の非血液毒性プロファイルにより薬剤選択を判断すべきである。慢性閉塞性肺疾患,高血圧,慢性感染症を有する症例ではニロチニブ,イマチニブを選択し,糖尿病,膵炎の既往がある症例ではダサチニブ,イマチニブを選択することが推奨される。また,リスク分類(Sokal,Hasford score)にて中間/高リスク群ではニロチニブ,ダサチニブを選択すべきである。