特集 血液病の外来診療
3.急性骨髄性白血病
薄井紀子
1
Noriko Usui
1
1東京慈恵会医科大学 教授/同附属第三病院 輸血部 診療部長
pp.461-470
発行日 2015年3月30日
Published Date 2015/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201504039
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
急性骨髄性白血病(AML)の外来診療は,初診から入院までの初期診療,入院治療後の経過観察で重要な役割を果たす。国内外のガイドラインを参考に診療が進められるが,初期診療では臨床症状からAMLを疑い,血液・骨髄検査によるAMLの診断,WHO分類によるサブタイプの診断,予後因子による予後予測,合併症を含む患者の状態を速やかに把握し,入院診療を開始させる。 入院治療後の経過観察では,寛解導入療法-寛解後療法で完全寛解(CR)に到達したAML患者に対しては,再発の早期診断ができる外来診療が重要となる。初期治療に抵抗性あるいは再発AML患者の治療は,同種造血細胞移植療法の選択を考慮する。AML治療のさらなる向上には,外来診療と入院診療のシームレスな連携が求められる。