特集 白血病幹細胞
序 ~予後不良白血病の理解と克服を目指して~
石川文彦
1
Fumihiko Ishikawa
1
1理化学研究所 統合生命医科学研究センター ヒト疾患モデル研究グループ グループディレクター・主任研究員
pp.1731-1735
発行日 2014年11月30日
Published Date 2014/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201412017
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造血幹細胞研究は,幹細胞が恒常性維持のため,いかなる役割を担うかについて,他組織の幹細胞システムにも適用される多くの成果を生み出してきた。造血器疾患である白血病の幹細胞についても,表面抗原の発現や細胞周期などの機能解析,治療標的の同定など,疾患幹細胞研究に幅広く応用されるであろう重要な研究がなされている。幹細胞性質を規定するために不可欠な移植実験に加えて,ゲノム・エピゲノムの解析,疾患と免疫や幹細胞とニッチの相互作用の解析を通して,個々の症例の多様性が明らかになりつつある今,白血病幹細胞研究は新しい時代に入ろうとしている。