特集 ウイルス感染症との新たな戦い ~グローバル化する 脅威の克服を目指して~
1.序:グローバル化する ウイルス感染症の脅威とその克服
森田公一
1
1長崎大学熱帯医学研究所ウイルス学分野・教授
pp.2549-2552
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201511061
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2014年に拡大した西アフリカでのエボラ出血熱の流行は,危険度の高い感染症に対する国際的な協力体制が不十分であり,わが国の対応準備も十分とは言えない状況であることが露呈した。今後さらに加速するであろう国際社会のグローバル化に対応して,国内外での国際感染症対策がさらに強化されつつある。わが国では,2015年9月11日に対策強化に関する基本方針が策定され,感染症国際協力チームの設立やBSL(biosafety level)-4施設,医療体制の整備等が進められることになっている。しかし,それらの施策を十分に機能させるには,一般医療機関における日常の感染症対策や,社会での感染症教育が基盤であることを忘れてはならない。