特集 免疫制御によるがん治療
5.成人T細胞白血病に対する免疫療法 ~AZT/IFN-α,骨髄移植,樹状細胞ワクチン~
神奈木真理
1
,
長谷川温彦
1
,
金原秀一
1
,
末廣陽子
2
Mari Kannagi
1
,
Atsuhiko Hasegawa
1
,
Shuichi Kinpara
1
,
Youko Suehiro
2
1東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 免疫治療学分野
2国立病院機構 九州がんセンター 血液内科
pp.1631-1638
発行日 2014年10月30日
Published Date 2014/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201411055
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HTLV-1感染は,長い潜伏期の後,感染者の一部に腫瘍性疾患ATLや炎症性疾患HAM/TSPを起こす。複雑な臨床像に加え,生体内のHTLV-1発現の低さが疾患機序を難解にしてきた。本稿では,これらの背景にある宿主免疫応答について解説し,ATLに対して一定の効果を持つ治療方法のうち,AZT/IFN-α併用療法,同種造血幹細胞移植の作用機序と宿主免疫の関係を述べ,さらに現在進行中のTaxを標的とした樹状細胞ワクチン療法の,ATL治療における意義と発症予防への展望について論じる。