特集 マントル細胞リンパ腫
序 ~病態と治療の新たな展開~
山本一仁
1
Kazuhito Yamamoto
1
1愛知県がんセンター中央病院 臨床試験部 部長/血液細胞療法部
pp.1305-1308
発行日 2014年8月30日
Published Date 2014/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201409017
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マントル細胞リンパ腫(MCL:mantle cell lymphoma)という疾患名が提唱されてから,20年余りが経過した。Cyclin D1の過剰発現により特徴付けられるMCLは,分子異常と病型が直結している悪性リンパ腫では稀な病型である。近年の網羅的ゲノム解析などによりMCLの分子基盤が明らかにされつつある中で,SOX-11がindolent MCLの新たなバイオマーカーとして注目されている。MCLは通常の化学療法では治癒が望めない難治性病型であるが,高用量シタラビンや大量化学療法で治療成績が向上しつつある。また,MCLに有効な分子標的薬の開発も進んでいる。今回の特集を通じて,MCLの最新の知見や問題点を把握し,今後の診療やMCL研究を考える一助になれば幸いである。