特集 スギ・ヒノキ花粉症 最新の話題
序 ~スギ・ヒノキ花粉症 新たな展開と展望を検証する~
太田伸生
1
Nobuo Ohta
1
1東京医科歯科大学名誉教授/鈴鹿医療科学大学教授
pp.141-143
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201902141
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スギ・ヒノキ花粉症の近年の増加の背景に花粉の飛散量の増加があるが,そこに衛生仮説を含む環境疫学や遺伝学的な要因が加わり発症機序は複雑である。本症の予防治療に向けて多様なアプローチからの研究が進んでいる。免疫学的な治療アプローチとして,アレルギー発症に関わるST2細胞や炎症エフェクターの機能解明と修飾に当面の期待がかかる。臨床応用としては舌下免疫療法が行われるようになり,従来の減感作療法の新手技として臨床的に注目されてきた。本稿では予防・治療に向けた研究進展状況を総括し,今後の議論につなげたい。