特集 マントル細胞リンパ腫
1.悪性リンパ腫の疫学
千原大
1
Dai Chihara
1
1愛知県がんセンター研究所 疫学・予防部
pp.1309-1313
発行日 2014年8月30日
Published Date 2014/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201409021
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日本における悪性リンパ腫の罹患率は全白血病疾患の約1.5倍,多発性骨髄腫の約4倍であり,最も顕著に増加傾向にある造血器疾患である。日本における罹患率は全体で欧米の2分の1以下であり,遺伝的,環境因子的な予防因子が日本人には存在することが示唆される。日本におけるマントル細胞リンパ腫の罹患率は欧米の約4~5分の1で,2008年度の年齢調整罹患率は10万人年あたり男性で0.26人,女性で0.07人と明らかな男性優位である。発症年齢の年齢中央値は70歳前後と高齢で,高齢者への治療研究は非常に重要と考えられる。