特集 巨核球形成・血小板産生のメカニズムとその異常
序 ~血小板/巨核球研究の新たな展開~
冨山佳昭
1
Yoshiaki Tomiyama
1
1大阪大学医学部附属病院 輸血部 病院教授
pp.313-316
発行日 2013年2月28日
Published Date 2013/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201303313
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血小板産生は極めてダイナミックに制御されているが,骨髄巨核球数の分離や培養の困難さもあり,その詳細は不明な点が多かった。1994年のトロンボポエチン(TPO)の発見を契機として,その後急速にその理解が深まってきている。血小板産生に重要な転写因子やケモカインの同定,内因性アポトーシス経路の関与,さらには生体内における成熟巨核球からの血小板産生機構についても明らかにされつつある。これらの成果に並行して,血小板の量的異常症の分子機構の詳細が明らかとなってきており,さらには新規治療薬としてのTPO受容体作動薬の登場により臨床的観点からも注目されている分野である。