特集 赤血球造血の基礎と臨床
5.なぜ? どのように? 赤芽球の脱核
鵜生川久美
1
Kumi Ubukawa
1
1秋田大学大学院 医学系研究科 血液・腎臓・膠原病内科学(第3内科) 助教
pp.565-571
発行日 2014年3月30日
Published Date 2014/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201404055
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なぜ赤芽球は脱核するのか。その理由として,酸素運搬能の改善,赤血球変形能の向上,がん化抑制などが推察されるが,未だ解明されていない。どのようにして赤芽球は脱核するのか。外的要因として,マクロファージやICAM-4の役割が明らかにされている。内的要因としては,クロマチン凝集に関与するHDACsおよびHATs,核偏在に関与する微小管,核放出に関与するアクチン-ミオシン II および小胞輸送が重要である。再生医療への応用に向け,今後は脱核の分子機構にあらためて注目が集まると予想される。