新しい赤血球の検査・3
赤芽球コロニー法
溝口 秀昭
1
,
三浦 恭定
1
1自治医科大学血液学研究所・造血発生部門
pp.306-310
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914301
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コロニーというと細菌検査室にある細菌の集塊を思い出される方が多いかと思う.しかし最近では培養技術の進歩によって,動物の骨髄細胞を一定の条件下で培養すると顆粒球系細胞のコロニー,赤芽球のコロニーまたは巨核球のコロニーが観察されるようになった.しかもそれらのコロニーの元になる細胞が,それぞれの前駆細胞であることが分かり,形態学的にはつかめなかったこれらの細胞を定量的に調べられるようになった.
これらのコロニー形成法のうちヒトの骨髄細胞でも可能となっているのは顆粒球系コロニー法と赤芽球コロニー法である.顆粒球系コロニー法は人間の骨髄細胞に応用されて日時がたっており,多くの報告があるが,赤芽球コロニー法はごく最近人間の骨髄細胞に応用されるようになったばかりである.
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