Japanese
English
綜説
胎児赤芽球症の予防について
On the prevention of erythroblastosis fetalis
官川 統
1
Osamu Hirokawa
1
1国立静岡病院産婦人科
pp.659-663
発行日 1956年10月10日
Published Date 1956/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201427
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はしがき
胎児赤芽球症の成因については,1940年Lan-dsteiner及びWiener1)がRh因子と重要な関係を有することを報じ,次いでLevine及びKatzin2)其他により該因子が胎盤を通過し,母体側に抗体を産出せしめる事が主因であると発表してから漸次明かとなつて来た。爾後其の治療法3)4)5)6)も劃期的進歩を遂げ,更に交換輸血の実施により本症の死亡率は同法実施以前の40%より5〜10%に著減し,予後も良好となつた。然しそれ等の治療法は総て娩出後の生児についてのみ実施可能で,本症に屡々見られる流産,子宮内胎児死亡等には応用不可能である。而も最も必要な事は可及的生児を得る事であり,余が此処に本症予防に関する諸家の成績を紹介する所以である。
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