特集 赤血球造血の基礎と臨床
6.iPS細胞から赤血球をつくる
廣瀬正一
1
Sho-ichi Hirose
1
1東京大学 医科学研究所 幹細胞治療分野/テルモ株式会社 研究開発本部
pp.573-579
発行日 2014年3月30日
Published Date 2014/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201404063
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iPS細胞を起源として,様々な機能的細胞および組織の作製が試みられている。いずれの細胞や組織作製においても,共通課題は,「治療に必要な細胞数をいかに確保するか」である。この課題解決のため,我々は目的細胞の前駆体を不死化細胞株として量産化する技術の確立に努めており,ヒトES/iPS細胞から得られた造血前駆細胞にc-MYCおよびBCL-XLを強制発現させることで,不死化赤芽球株の作製に成功した。将来的には,輸血医療における課題を解決できるソースになり得ると期待できる。