特集 超高齢化時代の血液疾患診療
9.高齢者血液疾患での輸血療法の実際と留意点,鉄過剰症への対応
室井一男
1
Kazuo Muroi
1
1自治医科大学附属病院 輸血・細胞移植部 教授
pp.1753-1759
発行日 2013年11月30日
Published Date 2013/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201312101
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高齢者血液疾患では,血液成分欠乏による症状や徴候が非定型的であり,併存疾患が輸血療法の妨げになることがある。注意すべき輸血副作用に,輸血関連循環過負荷(transfusion associated circulatory overload:TACO)がある。高齢者ではTACO発症の危険因子である慢性腎不全や心不全の既往がある場合が多く,血液製剤を投与する場合には通常より遅い速度で投与することや,小単位製剤を投与することが考慮される。鉄過剰症にデフェラシロクスを投与する場合には,高齢者では重篤な副作用を発生する可能性があり,少量から投与することが勧められる。