特集 超高齢化時代の血液疾患診療
8.高齢者出血性疾患の病態と治療
川杉和夫
1
Kazuo Kawasugi
1
1帝京大学医学部 内科学講座 教授
pp.1743-1752
発行日 2013年11月30日
Published Date 2013/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201312091
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高齢者の日常診療では,出血傾向はよく認められる臨床所見であり,その原因として特発性血小板減少性紫斑病(ITP)などが潜んでいることは少なくない。そのため,本稿では高齢者の出血性疾患の病態や治療について解説する目的で,比較的頻度の多い高齢者のITPやDIC,頻度は多くないが特徴的臨床所見(出血傾向が認められる)後天性血友病について取り上げた。ITPでは,最近高齢者の発病が多いことや,治療の選択肢が増えたことが重要と思われる。後天性血友病では,高齢者において突然出血傾向が出現した場合,必ず後天性血友病を疑ってみることと,APTTを測定してみることが必要となる。DICでは,若年者に比べて高齢者は重症化しやすいことから,早期発見,早期治療が大切である。