特集 節外性リンパ腫
4.血管内大細胞型B細胞リンパ腫の節外臓器病変
島田和之
1
Kazuyuki Shimada
1
1名古屋大学高等研究院/大学院 医学系研究科 血液・腫瘍内科学
pp.1559-1564
発行日 2013年10月30日
Published Date 2013/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/52013111559
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節外性リンパ腫の1病型である血管内大細胞型B細胞リンパ腫(IVLBCL)は,全身の諸臓器の小血管内および類洞内に病変を形成する。本邦のIVLBCLは血球貪食症候群を伴う症例が多く,大部分の症例が骨髄にて診断されているが,臨床症状,画像所見を考えると,肝臓,肺,副腎,中枢神経などに高い確率で病変を形成しているものと考えられる。各々の臓器に病変を形成する頻度・機序については不明な点が多いが,今後の研究により明らかにされることが期待される。治療については,高頻度に生じる中枢神経への進展・再発を予防することが現時点の課題であるが,現在施行中の臨床試験によって何らかの知見が得られることが期待される。