特集 節外性リンパ腫
5.消化管原発濾胞性リンパ腫に関する研究の進展
髙田尚良
1
,
吉野正
2
Katsuyoshi Takata
1
,
Tadashi Yoshino
2
1岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 病理学(腫瘍病理/第二病理) 助教
2岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 病理学(腫瘍病理/第二病理) 教授
pp.1565-1570
発行日 2013年10月30日
Published Date 2013/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/52013111565
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消化管濾胞性リンパ腫,とりわけ十二指腸濾胞性リンパ腫は,十二指腸下行脚に好発し,非常にindolentな経過をたどる。多数例による検討で,病変は十二指腸下行脚をはじめとして,空腸・回腸などの小腸に広範に分布しており,胃・大腸の濾胞性リンパ腫とは異なり,肉眼的に白色小顆粒状隆起を呈するのが特徴とされる。分子生物学的には,十二指腸濾胞性リンパ腫はt(14:18)を有する点,ongoing mutationがある点などから,節性の濾胞性リンパ腫と共通しているが,AIDの発現を欠く点,FDCの発現を欠く点,memory B細胞への分化が伺われる点から,多くの点でMALTリンパ腫と共通した特徴を有する。