特集 過敏性肺炎の基礎と臨床 アップデート
Ⅳ.過敏性肺炎の病理
武村民子
1
Tamiko Takemura
1
1日本赤十字社医療センター病理部
pp.1536-1545
発行日 2018年11月15日
Published Date 2018/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018121536
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過敏性肺炎の病理像は,急性例では経気道吸入分布を示唆する細葉中心性のリンパ球性胞隔炎や,疎な肉芽腫,細気管支炎がみられる。いっぽう慢性過敏性肺炎では,しばしば通常型間質性肺炎と同様な小葉・細葉辺縁性の線維化がみられ,小葉中心性線維化と連続する架橋線維化が特徴的である。病理組織像の特徴から,環境要因,抗原の検索を進めることによって慢性過敏性肺炎を特発性肺線維症から鑑別することが可能であるため,病理診断の役割は大きい。