特集 過敏性肺炎の基礎と臨床 アップデート
Ⅴ.過敏性肺炎における病理と臨床所見の関連
千葉佐保子
1
Sahoko Chiba
1
1国家公務員共済組合連合会九段坂病院内科
pp.1546-1552
発行日 2018年11月15日
Published Date 2018/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018121546
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過敏性肺炎(hypersensitivity pneumonitis:HP)は原因抗原の反復吸入により感作が成立し,その後の抗原曝露によって細気管支周囲や肺の間質に肉芽腫形成や線維化を伴うアレルギー性肺炎である。HPの臨床病型は発症形式に基づいて,急性,慢性に分類されるが,最近では臨床・画像・病理所見を包括的に捉え,急性/炎症性,慢性/線維性の2つのカテゴリーに分類する案も提唱されている。HPの臨床経過は,原因抗原,喫煙,遺伝的因子などの種々の内的外的要因によって修飾され多彩だが,病理組織パターンによってある程度の傾向を見出すことができる。即ち,病理組織上の線維化の有無や程度は治療反応性や予後と関連しており,特に通常型間質性肺炎(usual interstitial pneumonia:UIP)様パターンを呈する症例では予後不良である。また,線維芽細胞巣の増生を伴う場合にも予後不良の可能性がある。