特集 急増するアレルギー疾患の現状と今後の対策~アレルギー疾患対策基本法の推進に向けての展望~
5.食物アレルギー対策の現状と課題
海老澤元宏
1
1国立病院機構 相模原病院臨床研究センター・副臨床研究センター長
pp.283-287
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201802283
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食物アレルギーは約30年前から先進国を中心に増加し,わが国でも2000年以降,小児アレルギー領域で大きな問題となっている。この15年余でアレルギー物質を含む食品表示・学校でのアレルギー対応などを含めた社会的対応の整備,エピペン®の導入を含めたアナフィラキシー対策の推進,食物経口負荷試験の診療報酬化や診療ガイドラインの整備などが進められてきた。医療面では経口免疫療法を含めた管理の向上,発症予防を中心として臨床研究が近年進められている。アレルギー疾患対策基本法が制定された背景には,小児期の食物アレルギー診療の地域格差をいかに解消していくかということが課題の一つであり,今後,診療の均てん化を進めていくことが求められている。