特集 アナフィラキシス
VI.食物によるアナフィラキシー
海老澤元宏
1
Motohiro Ebisawa
1
1国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部部長
pp.1156-1162
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201308056
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食物によるアナフィラキシーの原因として,乳幼児では鶏卵・牛乳・小麦が多く,学童・成人では,木の実,ピーナッツなどが多い。また,食物依存性運動誘発アナフィラキシーは小学校~成人で見られ,小麦・甲殻類が原因となる。近年,小麦由来成分配合の“茶のしずく石鹸”による健康被害が多数発生したことも記憶に新しい。食物によるアナフィラキシーでも他のアナフィラキシーと同様に,治療はアドレナリンの筋注が第一選択であるが,医療関係者・コメディカルの認識は十分ではない。近年,児童相談所・学校で食物アレルギーによる死亡例も発生し,保育所・学校での対策も急務である。