特集 アレルギー疾患の将来展望 ~発症率の推移から望ましい治療薬の今後など~
Ⅰ.有症率の推移からの患者数,重症度の推移
1.小児アレルギー
吉田幸一
1
,
赤澤 晃
2
Koichi Yoshida
1
,
Akira Akasawa
2
1東京都立小児総合医療センターアレルギー科医員
2東京都立小児総合医療センターアレルギー科部長
pp.1248-1254
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018101248
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小児のアレルギー疾患は今もなお増加しているが,疾患ごとにその動向は異なる。日本では,気管支喘息,アトピー性皮膚炎をもつ子どもたちは減少傾向にあるという報告が近年みられるようになった。しかし,花粉症を含めたアレルギー性鼻炎,結膜炎は増加の一途であり,社会問題となっている食物アレルギーの子どもも増加している。これらの疾患に対して「発症予防」や「免疫療法」など新たな知見への期待も膨らむが,今ある医療をきちんと子どもに届ける日常診療も将来のアレルギー疾患の動向に大きな影響を与えると思われる。