特集 血管性浮腫の基礎と臨床 アップデート
Ⅶ.遺伝性血管性浮腫の自己治療と患者会の活動
本田大介
1
Daisuke Honda
1
1順天堂大学浦安病院腎・高血圧内科助教
pp.1170-1179
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018091170
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平成30年(2018年)6月現在,本邦において認可されている遺伝性血管性浮腫(HAE)に対する唯一の治療薬は,急性発作時に経静脈投与する乾燥濃縮人C1-インアクチベーターのみであり,諸外国に比較して治療の選択肢が極端に少ない。気道浮腫発作の際には窒息の危険性があるため,本邦以外の多くの国々では疾患の重症性を鑑み,可及的速やかに投薬を可能とする「自己治療」が認められている。本邦においても自己治療の実現が急務であり,関連学会や患者会などが連携し早期実現を目指している。また,様々な点で患者会の存在意義は大きく,本稿で概略をまとめる。