特集 血管性浮腫の基礎と臨床 アップデート
Ⅵ.遺伝性血管性浮腫の病型と治療
山下浩平
1
Kouhei Yamashita
1
1京都大学大学院医学研究科血液・腫瘍内科学准教授
pp.1160-1168
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018091160
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遺伝性血管性浮腫(HAE)は全身の様々な部位にブラジキニン介在性の血管性浮腫が起こる稀少疾患で,特に喉頭浮腫が生じると致死的となるため見逃してはならない。HAEはC1インヒビター(C1-INH)の欠損により起こるが,最近,C1-INHが正常なHAEの遺伝子変異が報告された。本邦では発作時にヒト血漿由来C1-INH製剤が投与されるが,最近,短期予防目的の使用が保険適応となった。欧米ではブラジキニン受容体拮抗薬やカリクレイン阻害剤なども日常臨床で使用されており,今後本邦での適応承認が望まれる。