特集 血管性浮腫の基礎と臨床 アップデート
Ⅳ.薬剤による血管性浮腫
猪又直子
1
Naoko Inomata
1
1横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学准教授
pp.1142-1149
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018091142
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非ステロイド系消炎鎮痛薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)が原因となる血管性浮腫はNSAIDs不耐症として発症することが多い。この場合,蕁麻疹を伴うことも伴わないこともある。一方,蕁麻疹を伴わない薬剤性血管性浮腫ではブラジキニン起因性の機序で発症することがある。その代表的な薬剤はアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬であり,気道閉塞で致死的になること,投与開始から発症までの期間が1週間以内と短い例が多く,内服継続中に浮腫を間欠的に繰り返すことが特徴である。