特集 血管性浮腫の基礎と臨床 アップデート
Ⅰ.血管性浮腫の疫学・分類・臨床像
前田豊樹
1
,
堀内孝彦
2
Toyoki Maeda
1
,
Takahiko Horiuchi
2
1九州大学病院別府病院内科副診療科長
2九州大学病院別府病院内科診療科長
pp.1118-1124
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018091118
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血管性浮腫(クインケ浮腫)は限局性かつ一過性の突発性浮腫である。浮腫の場所によっては急性腹症や窒息の恐れもあり,迅速な診断と対処が求められる。人口の7%に既往があるとされ,臨床の現場で遭遇することもまれではない。本症の病態にかかわる炎症性メディエーターは,ヒスタミン,ブラジキニン,補体分解産物など多岐にわたるため,どの炎症性メディエーターが関与するかで,臨床像,治療法も異なる。本稿では血管性浮腫の診療において前提となる重要な知識として,疫学・分類・臨床像を紹介する。