特集 血管性浮腫の基礎と臨床 アップデート
序 ~血管性浮腫で進む病態の理解と診療ガイドラインの新展開~
秀道広
1
Michihiro Hide
1
1広島大学大学院医歯薬保健学研究科皮膚科学教授
pp.1113-1116
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018091113
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
血管性浮腫は,皮膚,粘膜の深部に生じる一過性,限局性の浮腫で,圧痕を残さず,その病態は多くの点で通常の蕁麻疹と重複する。しかし,その疾患スペクトラムは広く,近年,ガイドラインの整備とともに新たな原因遺伝子の同定も発表された。一見同様に見える血管性浮腫の臨床像ではあるが,治療の点では,蕁麻疹と同様の内容で良いものと,遺伝性血管性浮腫の様に固有の治療を要するものに分けられる。そのため血管性浮腫の治療では,個々の症例,病型の背景にある機序と適切な対処法を理解しておくことが重要である。