特集 蕁麻疹の病態と治療 アップデート
VII.我が国における遺伝性血管性浮腫の現状と治療
堀内孝彦
1
,
柏木陽一郎
2
,
原島伸一
3
Takahiko Horiuchi
1
,
Yoichiro Kashiwagi
2
,
Shin-ichi Harashima
3
1九州大学大学院医学研究院病態修復内科学分野准教授
2柏木内科医院院長
3京都大学大学院医学研究科糖尿病・栄養内科学分野特任講師
pp.254-262
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201302056
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遺伝性血管性浮腫(hereditary angioedema;HAE)は,顔面や四肢,喉頭,腸管などさまざまな部位に突発性,一過性の浮腫が生じる常染色体優性の遺伝疾患である。気道閉塞や激烈な腹痛を生じて重篤になりうる疾患であるが,疾患自体があまり知られていない状況が長く続いていた。最近の10年間で治療法が大きく進歩したことが後押しとなり,世界的にHAEの研究や啓発活動が活発に展開されつつある。本稿では,我が国におけるHAEに対する取り組みの現状を紹介するとともに,補体研究会が発表した本邦ガイドラインをもとに治療法を概説する。