特集 薬物アレルギーをめぐって
Ⅴ.生物製剤
千貫祐子
1
Yuko Chinuki
1
1島根大学医学部皮膚科講師
pp.634-641
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201805634
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
セツキシマブは上皮成長因子受容体(EGFR)を標的とするIg(immunoglobulin)G1サブクラスのヒト/マウスキメラ型モノクローナル抗体製剤で,頭頸部癌や結腸・直腸癌の治療薬として世界中で広く使用されている。重大な副作用として重度のインフュージョンリアクションがあり,死亡にいたる例も報告されている。そして,重度のインフュージョンリアクションと思われている症例の中には,セツキシマブに含まれる糖鎖galactose-α-1,3-galactose(α-Gal)に対するIgE抗体に起因するアナフィラキシーが含まれている可能性があり,注意を要する。