特集 薬物アレルギーをめぐって
序 ~あらゆる科で薬物アレルギーは関連がある~
山口正雄
1
Masao Yamaguchi
1
1帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学教授
pp.601-603
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201805601
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
薬物により生体において引き起こされた有害な反応(有害薬物反応)のうちで,薬物またはその代謝産物を抗原とし,特異的抗体または感作リンパ球により引き起こされた反応を薬物アレルギー(drug allergy)という。以前は,アレルギー症状の起きた患者に対し担当医が個別に原因検索,機序解析,回避指導を行っていて,各事例の詳細な情報を集積することは例外的であった。しかし現在は,薬物アレルギーの機序や原因薬に関する知見が増加したことと,薬物アレルギーの個別の情報の集約,医療機関における薬物アレルギー既往に関するカルテ表示法の徹底など様々な面で重要情報として大切に扱われるようになってきた。発症機序,原因薬物や交差反応性,誘発されるアレルギー症状の分類など様々な面で大きく進展がみられている。本特集の各項目では,専門家ならではの最新の知見が詰まっており,その重要ポイントについては,全ての医師に是非知っておいて頂きたい。