特集 アレルギー疾患のフェノタイプとエンドタイプ
序 ~アレルギー疾患のフェノタイプ気管支喘息を越えてアレルギー疾患全体へ~
山口正雄
1
Masao Yamaguchi
1
1帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学教授
pp.783-787
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201506009
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アレルギー疾患の発症,病態の解明や治療戦略が進展するのに伴い,疾患が必ずしも均一ではないことが理解されるようになり,表現型(フェノタイプ)で分類する考え方が注目されている。以前から存在する考え方ではあるが,発病と強い関連を有する原因遺伝子(アトピー性皮膚炎におけるフィラグリン遺伝子変異など)が明らかになってきたこと,一部の患者だけを対象とする治療薬(アトピー型気管支喘息に対する抗IgE抗体オマリズマブなど)が登場したことなどが,フェノタイプの考え方を促してきたと考えられる。本稿においては,特に進展が著しい気管支喘息フェノタイプの流れを紹介しつつ,様々なアレルギー疾患に今後広まっていくフェノタイプへの期待を述べたい。