特集 アレルギーとエピジェネティクス
序 ~エピゲノムから見た免疫・アレルギー疾患~
荒川浩一
1
Hirokazu Arakawa
1
1群馬大学大学院医学系研究科小児科学分野教授
pp.1837-1840
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201412009
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エピジェネティクスとは,同じDNA配列を用いつつ柔軟で多様な表現型を生み出す機構である。生物は「エピゲノム」を獲得することで,1つの受精卵から複雑で多様な組織,器官,最終的に個体を作る能力と環境にしなやかに適応する能力を得た。一方で,環境要因や食事,ストレスなどにより動的に変化するため,癌や生活習慣病,免疫やアレルギー疾患などの後天性疾患の発症機序に関係することも明らかになってきた。本稿では,エピジェネティクスから見た免疫・アレルギー疾患の発症および治療につき考えてみたい。